
入試活用率No.1である英検の内容とは?合格するための対策を解説!
英検は、日本で最も有名な英語の資格試験といえます。国内の大学で英語資格を用いた入試制度のある大学は多々ありますが、英検の活用率はNo.1で、高校入試にも活用されています。初めての英語資格試験として英検の受験を検討する方も多いのではないでしょうか。やみくもに勉強をしていては合格までに時間がかかってしまいますから、できるだけ効率的に勉強を進めたいですよね。
そこで今回は、英検の特徴や合格するための対策についてご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
目次
1. 英検とは?
適切な対策をとるためには、まず、英検について概要を知っておきましょう。
1-1. 英検の概要
英検には、1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級と合計7つのグレードがあり、1級が最も難しい試験です。
1級、準1級、2級、準2級、3級では、「聞く・読む・書く・話す」の4つの技能を測定します。一次試験で「リスニング・リーディング・ライティング」の技能を測定し、合格をすると二次試験として「スピーキング」の技能を面接形式で測ります。なお、一次試験には合格したものの二次試験で不合格となった場合、1年間は一次試験を免除されます。
4級、5級では、「リスニング・リーディング」の2つの技能を測定します。自宅で受験する録音式のスピーキングテストを受験することができますが、合否には影響しません。
1-2. 級別の難易度目安
自分の学年に合わせた難易度の目安をご紹介しますので、受験をする級を選ぶときの参考にしてください。
また、3級以上については、他の英語資格と比較した時の難易度もご紹介します。他の英語試験と比較する際にはCEFR(セファール)を基準として考えます。CEFRは英語力を示す共通規格で、C2・C1・B2・B1・A2・A1の6段階で示され、C2が最も高い評価です。
・1級→大学上級 B2~C1程度
・準1級→大学中級 B1~B2程度
・2級→高校卒業 A2~B1程度
・準2級→高校中級 A1~A2程度
・3級→中学卒業 A1程度
・4級→中学中級
・5級→中学初級
1-3. 試験の実施時期
6月・10月・1月頃
1-3-1. 英検S-CBTについて
英検には、コンピューターを利用して受験する英検S-CBTもあります。
こちらは、1日で4技能を受験することができ、原則毎週実施されています。
年3回実施される従来型との併用が可能です。
2. 英検の対策
英検では、「リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング」の4つの技能を測定します。英検全体に関する対策に加え、それぞれの技能の対策についてご紹介していきます。
2-1. 英検の基本対策
2-1-1. 過去問を何度も解く
英検の問題に慣れるためには、やはり過去問を何度も解いてみるという対策が有効です。過去問を解くときは、必ず時間を測るようにしましょう。
英検の問題傾向は、毎年大きく変わることはありません。何度も繰り返し過去問を解くことで問題の傾向を把握することができ、問題を解きやすくなります。また、時間配分もうまくできるようになります。
リーディングでは、短文の穴埋め問題と長文の穴埋め問題に加え、長文読解の問題が出ており、ライティングでは、あるトピックに対して記述する問題が出ます。リスニングでは、会話の応答文を選択する問題、会話の内容に一致する文を選択する問題、文の内容に一致する文を選択する問題が出ます。
2-1-2. 語彙力を伸ばす(単語・熟語を覚える)
単語と熟語の意味が分からなければ、簡単な問題さえも解くのは難しいです。語彙力を増やすことは、英語学習の要といえます。特に英検のリーディング問題では文法を問われる問題が少ないので、語彙力の重要度が高いです。
単語・熟語を覚えるといっても、それ単体で丸暗記したのでは覚えるのに時間がかかってしまいますし、似たような単語や熟語を混同してしまうこともあります。単語や熟語を効率的かつ深く理解するためには、文として覚えることです。文ごと覚えておくと、その単語や熟語の具体的な使い方も理解することができ、ニュアンスの違いも読み取ることができるようになります。このような覚え方をしておけば、リーディングだけではなく、ライティングやスピーキングの時にも、正しくその単語や熟語を活用することができます。また、その単語の品詞や派生語を合わせて覚えておくことも、語彙力を増やすのに有効な方法です。視覚を使って印象付けるという方法もあります。単語をインターネットで検索し、画像の検索結果を見てみましょう。画像と単語をセットでインプットすることで記憶に残りやすくなります。
リスニングについても、知らない単語はいくら聞いても聞き取ることはできません。発音の理解を間違えていても、聞き取ることは難しくなってしまうので、発音も正しく覚えておきましょう。
2-1-3. 基本的な構文を頭に入れておく
「5文型」といわれるS(主語)、V(動詞)、O(目的語)、C(補語)の4要素からなる語順のルールを頭に入れておきましょう。基本構文が頭に入っていると、読解も聞き取りもスピードが早くなりますし、正しい英文を作成できるようになります。
2-1-4. 声に出しながら勉強する
声に出して読むことで、聴覚も使って英語を学ぶことができます。英検ではスピーキングのテストもありますので、その練習にもなります。
はじめから難しい文章を読むのではなく、簡単な英文からスタートして、徐々に難易度を上げていきましょう。わからない単語や熟語が出てきた場合は、その都度調べて覚えていきます。自分の声を録音して聞くと、発音の勉強にもなります。
2-2. リスニングの対策
リスニング問題では、どこがネックとなって答えに辿り着くことができていないのかを明確にすることがポイントです。つまずいているポイントを見つけて強化しなければ、何度問題を解いてもなかなか点数アップにはつながりません。
まずは英語を聞き取る力が必要です。そして、聞き取った文章の意味をすばやく理解する(和訳する)ことができなければ、回答が間に合いません。単語は知っているのに聞き取れていないのであれば、何度も英語を聞いて聞き取れるように練習する必要がありますし、そもそも読み上げられている文章を文字で見ても意味が分からないのであれば、語彙力の強化を先にする必要があります。問題を解くスピードが追い付かないのであれば、何度も繰り返し問題を解いてスピードを上げる必要があります。設問を読んだときに、何に注意して聞き取ったら良いのかという感覚を身に付けることも重要なポイントです。
リスニング力を高めるには、シャドーイングもオススメです。シャドーイングとは、英文の音源を流して、その音の影のように重ねて発話をするトレーニングです。英語特有の発音や抑揚に耳が慣れ、発音が良くなり、リスニング力もアップするのです。シャドーイングは、何度も同じ文章で繰り返すことで効果が高まります。
2-3. リーディングの対策
既にご紹介したように、リーディングについては語彙力の強化が1番のポイントとなります。級が上がると、覚えなければならない単語・熟語の数がかなり多くなりますので、一朝一夕にはいきません。コツコツと語彙力を増やす努力をしましょう。
語彙力の強化に加え、問題集も解いていきましょう。間違った問題は解説をよく読み、なぜその答えなのか?というところまで理解することで、同じ問題が出た時に間違えずに答えることができるようになります。
2-4. ライティングの対策
英検のライティングは1問のみで、あるトピックに対しての自分の意見と、その理由を2つ、制限語数内の文章で記述します。内容・構成・語彙・文法の4つの観点で評価されますので、それを踏まえて文章を作る練習をしていきましょう。
正しい英文を作るためには、正しい英文を知っておく必要があります。自分の意見を述べるときに使える、正しい英語の短文を覚えてしまうことも有効な方法です。定型文が頭に入っていれば、それを元にして、あとはテーマに合わせて単語を入れ替えるだけで正しい英文を作成することができます。
そして、やはり少しでもたくさんの英作文をして慣れることが大事です。英語の勉強に取り組むときだけではなく、簡単で良いので自分の意見を伝える英文を頭の中で組み立ててみるようにしましょう。自分の意見を英語で表現することがさっとできるようになると強いです。コミュニケーションをとるだけであれば多少文法が間違っていても問題ありませんが、試験対策としては正しい英文でなければなりません。時間のある時は、考えた英文をインターネット上の翻訳ツールを使って正しいかどうかの確認をするとよいですよ。ライティングは、国語的な要素も含まれます。なぜなら、まずはテーマに対する意見の文章化が必要だからです。自分の意見を文章にまとめることが苦手な方は、まずは日本語でもいいので意見を文章化する練習をしてください。
2-5. スピーキングの対策
苦手としている人が多いのが、このスピーキングです。3級以上はスピーキングテストにも合格しなければ、級として認定されません。この壁を乗り越える必要があります。
スピーキングでも、ライティングと同様に英語で文章化する練習を重ねることが大切です。それに加えて、正しい発音で、実際に声に出して話してみましょう。作成した英文が正しいかどうかは、ライティング同様に翻訳アプリを使って確かめることができますし、文章を読み上げてくれるアプリであれば、発音の確認もできます。リスニング力を高めるシャドーイングは、スピーキング力を高める効果もあるのでオススメの方法です。
英検のスピーキングテストは面接形式なので、面接に慣れるためにも、模擬面接を繰り返し行いましょう。
3. まとめ
英検は、聞く、読む、書く、話すの4つの技能を測る試験ですので、それぞれのスキルを伸ばす必要があります。得意分野だけで勝負することは難しいですし、どれも必要な技能なので、バランスよく力を身に付けるのが理想です。苦手な部分は早めに解消できるようにしましょう。
語彙力のアップ、構文の理解等の基礎力を固めたうえで、過去問を繰り返し解いて問題に慣れる必要があるので、対策の効果を実感するまでには一定の時間がかかります。英検の取得目指すのであれば、計画的に勉強を進めるようにしましょう。一人で勉強を進めるのが難しければ、学校や塾の先生に教えてもらうのがオススメです。