小学生の塾はいつから通えばいい?目的別のタイミングと塾選びのポイントをご紹介
小学生になり勉強が始まると、子供の得手・不得手が見えて気になってしまったり、お子さんにもっと自信をつけさせてあげたいと思ったり、受験を考えだしたり…勉強に関する様々な思いが生まれますよね。子供のお友達が塾通いをしていると知って、なんとなく焦ってしまったり、子供から「塾に通いたい」といわれるケースもあるでしょう。
そこで悩むのが、小学生はいつ頃から塾に通うのが最適か、ということです。正解があるわけではありませんが、目的によってその時期は違うといえます。
今回は、小学生がいつから塾に通えば良いか、目的ごとの目安をご紹介します。また、小学生の塾選びのポイントもご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
目次
1. 【小学生が塾に通い始める時期と費用】
文部科学省の調査結果※から、小学生が塾に通い始めるタイミングと費用について見てみましょう。
通信教育・家庭教師を含む学校外での学習費用は学年が上がるにつれて増加しています。特に学習塾にかかる費用がその他の補助学習費と比べて最も高く、多くの小学生は塾へ通うという選択をしていることが分かります。さらに、小学校5年生になるとその額も大幅に増加していることから、中学受験対策目的で本格的に塾へ通い始める人が増えると言えるでしょう。
さらに、公立小学校に通っている小学生の38.9%が、私立小学校に通っている小学生の73%が学習塾に通っているというデータから、学校の学習の補填や受験を目的として通塾する人が多いと考えられます。
※令和3年文部科学省「子供の学習費調査(調査結果の概要)」
2. 【<目的別>小学生が塾通いを始めるタイミング】
では小学生が塾に通い始めるのに最適なタイミングはいつ頃なのか、学習目的別にご紹介していきます。
2-1. <学習の習慣づけを目的とした場合>
勉強は、この後中学、高校と長く続くことになります。小さい頃から勉強する習慣をつけていると、ここから先の学習に良い影響を与えてくれます。
遊んでばかりで宿題をしない、宿題以外の勉強もコツコツやるようにしたい、といった場合にも塾通いは有効です。塾に通うことで勉強をするということが生活の一部になります。
学習の習慣化を目的とするのであれば、小学校の低学年などの早い時期から塾通いを始めるのも有効です。子供のタイプにもよりますが、低学年のうちは厳しく指導してもらうというよりも、勉強が楽しいと思えるような工夫をしてくれる塾の方が良いでしょう。勉強がわからないし、塾に行っても怒られるし、となるとますます勉強が嫌になってしまうかもしれません。また学習する際の姿勢はとても大切です。低学年のうちから正しておかないと癖になってなかなか直らない場合もあるため、正しい姿勢や鉛筆の持ち方などもしっかり見てくれる塾がおすすめです。
塾が楽しいと思えるようになり、前向きな気持ちで勉強に取り組めるようになれば、習慣化もしやすいです。
2-2. <授業の理解や成績アップを目的とした場合>
学校の授業になかなかついていけない、テストで思ったような点数が取れない場合には、学校の授業の理解を深めたり成績アップを目指したりといった目的で塾に通う人が多いです。
その場合「学校の勉強が分からなくなってきた」と感じた時が、塾通いをはじめるタイミングです。それぞれの単元につながりがある場合が多いので、前の単元の理解ができないまま次の単元に進んでいくと、どんどんわからなくなってしまいます。わからないままで長い時間が経過すると、どこでつまずいたのかがわからなくなってきますし、わからない範囲が増えて追いつくのに時間がかかってしまいます。できるだけ早いタイミングでわからないところや苦手なところをなくしていくことが重要なので、学校の勉強の理解を目的とするならば、つまずきを感じたらすぐにでも塾通いをスタートしましょう。
もう一つのタイミングとして、長期休みがあります。夏休みや冬休みには、夏期講習や冬期講習といった特別なプログラムが実施されており、塾生以外でも参加できるケースが多いです。長期休みを使って苦手の克服に取り組むことができますし、期間限定プログラムを受講して気に入ればそのまま入塾することができます。
2-3. <中学受験の対策を目的とする場合>
中学受験対策を目的とする場合は、小学校4年生から塾通いをスタートするケースが多いです。その理由は、多くの塾が中学受験対策のカリキュラムを4年生からスタートするからです。ただし、4年生からといっても、そのカリキュラムは3年生の2月からスタートする場合も多いので注意しましょう。
3年以上前からスタートするなんて早いと感じるかもしれませんが、中学受験に出題される問題の範囲はとても広いです。全ての範囲に対応し、志望校ごとの対策をしようと考えると3年程度の期間が必要といえます。
中学受験向けのカリキュラムを詳しく見ていくと、4年生の1年間で基礎固めを行い、5年生頃から中学受験の対策に入っていくところも多いです。基礎に関してはしっかりとできているという状態であれば、中学受験向けの対策をスタートするタイミングから入塾しても間に合うでしょう。また、お子様のタイプによっては、長い間受験勉強へのモチベーションを保ち続けるのが難しい場合もありますので、短期決戦というのも一つの方法です。ただし、その場合の志望校選びはより慎重に行いましょう。
中学受験は合格がゴールではありません。入学後の勉強についていけるかどうかも非常に大切です。志望校に合格した後にも無理なく授業についていけるように、学習習慣や基礎力を身につけておくことも意識してくださいね。
2-4. <英語力の向上を目的としている場合>
小学校でも2020年から英語が必修化され、中学受験においても英語科目を加える学校が徐々に増えてきています。授業についていけるようにしたい、中学受験の英語科目の対策をしたい、高校受験に備えたいといった理由以外にも、国際化が進む社会で生きていくために、英語力を身につけさせたいと考えている方も増えているのではないでしょうか。
英語力の向上を目的とするならば、低学年から通うことをオススメします。英語力のアップには、読解力だけではなく、耳を英語に慣れさせること、つまりリスニング力が大切になってきます。単語・熟語力や読解力については、中学生や高校生になってからでも伸ばしやすいですが、リスニングやスピーキングは小さいうちの方が伸びやすく、年齢が上がるほど習得が大変になると言われています。小学校低学年のうちから英語に耳を慣れさせておくことは今後の英語学習の大きな助けになります。もちろん、知らない単語は聞き取ることができませんから、単語力なども伸ばしていく必要がありますので、リスニング力を鍛えていくことで、単語力などが身につくことも期待できます。また、小さいうちからリスニング力を鍛えておくと、発音もよくなりやすいです。
3. 【塾を選ぶときのポイント】
いざ塾に通わせようと考えても、塾の数が多くてどう選べば良いのか迷ってしまうことがあると思います。検討の軸となるのは、『子供と塾との相性』と『目的とのマッチ』ですが、どんなポイントでチェックしたら良いのでしょうか。
そこでこの章では、塾を選ぶときのポイントをご紹介します。
3-1. <塾のタイプ>
塾と一口にいっても、様々な種類があります。 大規模な総合型の塾であれば、受験コースと補習コースが選択可能です。今は学校の成績をあげることを第一の目的に考えているけれども将来的に中学受験も検討するかもしれない…など進路に迷っている段階であっても、同じ塾内で希望に合ったコースに変更することができます。
中学受験をすると決めているのであれば、受験に特化した進学塾がよいでしょう。志望校別のコースが細かく分かれていて対策をしてくれるなど、多くの情報やノウハウを活かした授業を受けることができます。
補習を専門とした塾もあります。比較的ゆっくり丁寧に指導してくれるところが多いです。
3-2. <塾の指導方法>
塾の指導方法には、大きく分けて集団指導と個別指導があります。集団指導の場合は、学校とよく似た形式で慣れていますし、「勉強しよう」という意思をもった仲間と一緒に勉強するためモチベーションを維持しやすいです。切磋琢磨することによる成長も期待できます。
個別指導では、個々の能力やペースに合わせた指導をしてもらえます。わからないところがあっても質問しやすいですし、スケジュールも比較的立てやすいです。
3-3. <距離>
週に1~2回、中学受験対策となるとほぼ毎日通うことになります。良い先生がいる、志望校のコースがあるなどの理由で離れた塾に通うこともあると思いますが、あまり距離が遠いと身体的にも精神的にも負担が大きいです。子供の体力やスケジュールを考えた時、どの距離までなら無理なく通うことができるのかをよく考えましょう。
3-4. <費用>
保護者目線でのポイントとなりますが、子供が塾に通い続けられるように考えておかなければならないポイントです。
3年、4年と通うことになると、その総額はかなり大きなものになります。基本的には、学年が上がるごとに費用も上がっていきますので、それも考慮しておかなければなりません。せっかく頑張って通っていたのに、途中で通うのが難しくなってしまうということにならないように、無理なく支払える費用の塾を選びましょう。
4. まとめ
塾通いをするなら○年生からがよいということではなく、小学生がいつから塾にいくのかはその目的によって異なります。周囲が行っているからと焦るのではなく、『なぜ塾通いをしたいと考えているのか』その目的をまずは明確にしてから塾通いをスタートした方が良い結果につながるでしょう。
塾選びの際には、その目的にマッチしているのか、お子さんとの相性はどうかをよく検討し、距離や費用においても無理のないところを探してみてくださいね。