【中学受験対策】いつからどんな勉強をしたら良い?時期と科目別の対策をご紹介
中学受験をするのであれば、入念な対策が必須です。とはいっても、初めての中学受験ではいつから何をやれば良いかわからず不安に感じていらっしゃる保護者の方も多いのではないでしょうか。
中学受験希望者の増加に伴い、人気の高い学校へ入学するハードルは上がってきており、早い時期からの対策が必要です。
今回は、中学受験を乗り越えるための時期別・科目別の対策について解説します。
目次
1. 中学受験の対策を始める時期
学校のレベルや試験内容にもよりますが、中学受験の対策は小学3年生の2月から小学校4年生の4月くらいにスタートするのが一般的とされ、中には小学校1〜2年生頃から始める方もいます。早いと感じる方もいらっしゃると思いますが、中学受験では基礎学力をつけるのはもちろん、学校ごとに特殊な問題が数多く出題されますので、そのための対策にも時間が必要となるのです。
中学受験の問題が特殊であるのには理由があります。問題のレベルとしては中学校で習うような内容にもかかわらず、中学校で学習する公式は使わずに四則演算を解かなければならないからです。
特に難関校の受験を検討している場合は、早めのスタートが推奨されます。
進学塾のカリキュラムは、小学3年生の2月からスタートすることが多いです。全カリキュラムを学習塾のスケジュールに沿って学びたいと考えているのであれば、このタイミングでの入塾を検討しましょう。4年生の終わりまでには小学校で習う内容の基礎を固めて、本格的な受験対策がスタートするのは5年生からというのが一般的です。塾によって、カリキュラムのスタート時期や内容は異なりますので、情報集めも大切な準備の一つとなります。
2. <学年別>中学受験の対策
学年別に、やっておくべき勉強などの対策をご紹介します。
2-1. 小学校低学年(1〜3年生)
一小学校低学年は、基礎を身につける時期です。規則正しい生活習慣・学習習慣をつけるようにしましょう。読書の習慣をつけることや、早く正確に基礎的な読み書き計算ができるような訓練をしておくことも大切です。基礎が身につく前から難しい勉強をしても、応用力をスムーズに身につけることはできません。基礎勉強ばかりで飽きてしまうようであれば、論理的思考パズルを解いたり、好きな本を読んだりするのも良いでしょう。勉強が楽しいと思えるようにしておくことが大切です。
机に向かって勉強するばかりでなく、五感を使って学んでおくことが後の学習にも好影響を与えます。運動をしたり、料理やお買い物などの生活体験をしたり、旅行や実験などの体験をしたり、座学以外の体を使った体験から学べることはとても多いです。これらは塾だけで体験できることではありませんので、家庭の役割も重要となります。
2-2. 小学校4年生
4年生になると中学受験に向けた勉強がいよいよ始まりますが、まだまだ国語、算数、理科、社会4教科の基礎学力を定着させることが大切な時期です。問題を解く際も、問題の読み飛ばしなどをせず、じっくり丁寧に読む学習姿勢を身につけましょう。子供にとっては単調な勉強が続いて楽しさを感じられないかもしれませんが、このタイミングで解けないような難しい問題にチャレンジする必要はありません。「自分は勉強ができる」「勉強が楽しい」と感じる経験を積むことが大切な時期なのに、難しい問題を解くことで「自分は勉強ができない」「勉強は楽しくない」と思ってしまうと、今後の勉強に大きな悪影響を与えてしまいます。焦らず、基礎力を身につけることに専念しましょう。
2-3. 小学校5年生
5年生は中学受験のキーポイントになる時期と言えます。多くの進学塾では、この1年で中学受験に向けたカリキュラムを学んでいきます。模試を受け始めるのもこの時期です。偏差値を強く意識し始める時期なので、模試で良い結果を取ろうと親も子も必死になってしまうと思いますが、この時期に点を取るだけの勉強方法をしたり、勉強する時間が長すぎたり、難しい勉強をしすぎたりするのは逆効果です。追い詰められて、ルールを破ったり、塾をサボったりしてしまうことにもなりかねません。無理な勉強を強要するようなことは避けましょう。
本当の応用力が身につくように、問題を解くときには、「なぜそうなるのか?」まで答えられるように、間違えた問題は「どこが間違えたのか?」が分かるまで解き直すなど、考えて解くことを徹底しましょう。
2-4. 小学校6年生
6年生になると、志望校を決めて、その学校に合った対策をしていきます。
6年生の1年間については、前半と後半でやるべきことが変わってきます。
2-4-1. 前半 4月〜夏休み
5年生で学んだ中学受験のカリキュラムを復習し、しっかり定着させましょう。苦手なところを確認して補強し、得意なところを伸ばしていくことが重要です。ここで弱点の補強を行っておけば、9月以降がグッと楽になるはずです。夏休みの過ごし方はとても大事になるので、合宿や特別な講習を行う塾も非常に多いです。様々な知識や解き方を組み合わせて解く応用問題にも慣れていくようにしましょう。
2-4-2. 後半 9月以降
入試では、過去の出題内容から傾向はつかめるものの、基本的には様々な分野や単元からランダムに問題が出題されます。どの問題が出ても対応できる必要があります。そこができていれば、模試や過去問もある程度スムーズに回答できるはずです。9月になると、多くの子供が志望校を決定しています。過去問で合格ラインの点数が取れるまで、何度も解く練習をしましょう。問題の相性も含めて志望校を決めておくと、直前になって苦戦するというリスクを下げることができます。そのため志望校を決める前にも、必要に応じて過去問を解いてみてください。 受験では健康管理も非常に重要です。小学生自身が気をつけるのは難しいことですので、ここは家族のフォローが大切になってきます。
3. <科目別>中学受験の対策
科目別に、中学受験に向けた対策をご紹介します。
3-1. 国語
国語は、読解力が基本です。その上で、情報を整理して表現したり、設問に対して論理的な回答をしたりする能力が求められます。
やはり、小さい時から読書習慣をつけて、たくさんの活字に触れておくことは非常に大切です。読むだけではなく、日々の会話においても語彙力や表現力は身につきます。正しい日本語を使ってたくさん会話をしていると、自然と国語力は身についていくのです。お子さんが間違った使い方をしているときには、その都度正しい使い方を教えるといった繰り返しが大きな力となります。
こうした基礎力を身につけたら、あとはたくさんの問題を解いて慣れていきましょう。
3-2. 算数
日頃から数に触れる経験をしておくことが、その後の勉強にも影響します。生活の中で、数に触れる機会は作れます。例えばピザを注文したとき、「全員同じ枚数食べられるようにしたいんだけど、4等分なら一人何枚食べてもいいと思う?」と聞いてみるなどで良いのです。自分のお小遣いで買い物をさせる、切符を買うときに家族全員分でいくらいるか聞いてみる、車で出かけたときに時速60キロで走ったら何分で到着するか聞いてみる…といったように、様々な場面で数に触れる機会を作っていきましょう。こうして数に慣れておけば、高学年になって勉強が難しくなっても、自分で工夫しながらスムーズに理解を進められるでしょう。
応用問題を解く前に、基礎力を確実に解けるような訓練も非常に重要です。基礎を固めずに小手先のテクニックで応用問題を解こうとすると、初めはうまくいったとしてもどこかでつまずいてしまいます。基礎となる計算力をつけ、応用問題を解き進めていきましょう。
3-3. 理科
理科は生活の中の身近なものに直結する学びが豊富なため、普段からそういった視点を持たせるような会話を意識することで自然と「理科は楽しい」というイメージを持つことができます。
理科には様々な分野があり、子供によって同じ理科の中でも得意不得意が出てきます。全ての分野が入試で出題されるわけではありませんので、点数を上げるためにはどの分野が出ても対応できるように、苦手分野を潰していかなければなりません。受験の対策としては、まずは問題集を1冊解いて基礎力をつけつつ、苦手分野を洗い出します。その上で、苦手分野の克服に向けて勉強を進めていきましょう。
もう1つ、意外なネックとなるのが計算力です。理科の問題には計算をして答えを導き出すものがあります。この手の問題が足を引っ張ることにならないように計算力をつけておく必要があります。
3-4. 社会
小さい頃から、社会に対する興味を持てるような経験を積ませてあげることを意識しましょう。社会は地理・歴史・公民の3分野に分かれています。中学受験では複数分野から出題されることが多いので、どの分野も網羅しておかなければなりません。
地理であれば、実際に行ってみることで得られることはとても多いです。現地の歴史的建造物を訪ねれば、社会の勉強にもなります。そこで「楽しい!」と思ってもらえたら一番良いですが、そこまでいかなくても少しでも興味を持つきっかけにはなると思います。
歴史は、現地に行ってみることもありますが、漫画やドラマなどで触れておくのも良いでしょう。漫画がきっかけで歴史に興味を持ったという子は多いです。
興味を持つことが難しそうな公民ですが、一番生活に密接しています。普段から一緒にニュースを見て、意見を交換することを習慣にしてみてください。
社会の3分野は、分野ごとの関連が深いです。特に、歴史と地理については、いつどこで
何が起こったのかを意識して勉強することで、より深く理解をすることができるでしょう。
4. まとめ
中学受験は、長期間かけて取り組まなければなりません。学ぶことも幅広いですし、どこから出題されるかがわかりませんので、広くカバーしていく必要があります。
また、まずは基礎力を固めることが基本です。基礎がなければ応用力は身につきません。小さい時は、まずは興味を持てるような経験をたくさん積ませることを意識し、その上でしっかりを基礎を固めていきましょう。そうすれば、難解な入試問題にも対応できる力が身につきますよ。保護者は焦らず、子供のペースに合わせてサポートしてあげましょう。