
総合型選抜で合格を勝ち取る!対策方法について徹底解説
総合型選抜とは、大学のアドミッション・ポリシー(大学側がどのような学生を求めているかを示したもの)にそって、学生を選抜するという方式です。一部学力も問われますが、 その大学で「何を学びたいか」「学んでどう活かしたいか」といった意欲や情熱があることが重視されるので、小論文や面接といった選考方法が採用されるケースも多い選抜方式です。
そこで今回は、総合型選抜に合格するための対策について解説します。
目次
1. 総合型選抜の選考方法や出願条件
まずは簡単に、総合型選抜の選考方法や出願条件について確認しておきましょう。
1-1. 選考方法
総合型選抜の選考方法は、AO入試時代と同様に書類選考と面接だけというところも少なくありませんが、文部科学省からの方針に従い、多面的・総合的に評価・判定するために、それ以外の選考方法を取り入れている大学・学部が増えています。
例えば、小論文、プレゼンテーション、体験授業+レポート、学力試験(大学入学共通テストを課す大学も)などがあります。
一定の学力が問われる選考方法が増えているといえるでしょう。
1-2. 出願条件
多くの学生が出願できるような出願条件を設定している大学もあれば、評定平均4以上、○○以上の資格取得者、○○以上の入賞者といったように、学力や資格(知識)、成績を条件としているケースもあります。
2. 総合型選抜の対策をスタートする時期
総合型選抜では、熱意や意欲だけではなく、それまでの高校での取り組みについて評価されることが多いです。評定平均が出願条件に入っている場合は、高1~高3の1学期までの成績が関係してくるので、早いうちから準備をしておかなければ間に合わない可能性があります。
そのため、総合型選抜で合格を目指す場合には、入学してすぐの高1から対策をスタートしておくことが理想です。
対策をスタートするタイミングは早いに越したことはありませんが、必ずしも高1から準備をしておかなければ間に合わないというわけではありません。高3の春からでも、合格を目指すことは可能です。あきらめずに、できる対策をとっていきましょう。
3. *事前対策編*総合型選抜で合格を勝ち取るための対策
総合型選抜で合格を勝ち取るための対策のうち、事前対策について解説します。
3-1. 自己分析と大学の情報収集をして志望校を決める
総合型選抜では、大学ごとで求められていることや選考方法が異なります。効率的に適切な対策をとるためには、まずは自己分析と大学の情報収集を進めましょう。
自分は、何に興味があるのか、どんなことがモチベーションとなっているのか、何が強みなのかなど、自己分析をします。自分のことが見えてきたら、その自分自身が将来どのようになりたいのか、そのためにはどんな勉強が必要なのかを掘り下げてみましょう。例えば、海外で活躍したいと思うのであれば、語学力やグローバルな意識を高めるような取り組みが必要です。
自己分析の後、もしくは並行して大学の情報収集をしていきます。HPの確認はもちろん、紙の資料も取り寄せてみましょう。オープンキャンパスの参加もオススメです。オープンキャンパスは、高1から参加しても問題ありません。実際に足を運んでみることが、最もその学校のことを知ることができますよ。気になる大学・学部ではどんな勉強や研究ができるのか知り、自分のやりたいことと合致する志望校を見つけましょう。
総合型選抜では、大学ごとに選考方法が異なります。早く志望校をきめ、そこに合わせた対策をとって行くことが合格への近道です。また、オープンキャンパスや事前説明会への参加が、出願への必須条件となっていることがあります。「参加していなくて出願できない!」といったことがないようにするためにも、早めの情報収集は重要です。
3-2. アドミッション・ポリシーをよく読み込む
前述の通り、総合型選抜では大学側が示しているアドミッション・ポリシーにそった選抜が行われるので、まずはその内容をよく読み込み、何が求められているかを深く理解する必要があります。
アドミッション・ポリシーは長文にわたり、高校生にはあまりなじみのない言葉遣いで示されているので、パッと読んだだけで理解をすることは難しいかもしれません。
不明な所や気になることがあれば、高校の先生や塾の先生に質問してみたり、オープンキャンパスに行って在学生や教授などに質問したりするとよいでしょう。
3-3. 学校の勉強をしっかり行う
学業成績(評定平均)が出願条件に入っている場合は、高1からの成績が反映されるので、日々の学業成績の向上にも力を入れなければなりません。もちろん評定平均だけではなく、大学入学共通テストを始めとした学力テストに備えるためにも日々の勉強はかかせません。小論文や口頭試問、レポートなどについても、積み重ねた知識や学力が反映されますよ。
3-3-1. 評定平均をあげるための対策
評定平均の基準は学校によって異なりますが、定期テストの成績をしっかりととっておくことは必須といえます。日々の小テストなどもおろそかにせずに取り組みましょう。
授業への取り組み方や、提出物なども評価対象となることが多いです。積極的に発言したり、グループ課題の取り組みでまとめ役をしたり、提出物はきれいな字で遅れることなく提出したりと、学ぶ意欲を伝えられるようにしましょう。
評定平均では、英国数社理の五科目だけではなく、体育や音楽、家庭科といった副教科も含まれます。受験科目には入っていませんが、副教科の点数で評定平均に大きな差がつくことも多いですから、副教科をおろそかにせずに取り組むようにしましょう。
3-4. 資格取得に取り組む
総合型選抜の出願条件には、英検・IELTS・TOEIC・TOEFLなどの英語資格検定取得が入っていたり、出願条件ではなくても加点要素となったりすることがあります。特に国際系の学部の場合は、高いレベルの条件を課されることが多いので、スタート時のレベルによってはかなりの時間を費やさなければならないことも考えられます。
英語の資格だけではありません。他の外国語の資格や、簿記関連、IT関連の資格など、受験する学部に合わせた資格などの取得もプラスになる可能性があります。
3-5. 部活やボランティアなど学内外の活動にも積極的に取り組む
総合型選抜では、学内外の諸活動に取り組んだ実績も評価対象となります。そのため、学内外の活動にも積極に取り組みましょう。
また、取り組むだけではなく、わかりやすく記載できるように、部活動での取り組みや成績、受賞した賞、いつどのようなボランティアを行ったか、ビジネスコンテストの受賞成績、研究活動など、いつどのようなことに取り組み、それによってどのように成長できたかについてまとめておきましょう。出願時期になって一度に思い出したり、まとめたりしようとすると大変ですし、抜け漏れてしまったりする可能性もありますよ。
3-6. 総合選抜型受験のサポートをしてくれる学校や塾の先生を見つける
総合選抜型受験については、書類の準備や、小論文、プレゼンテーションなどの対策が必要なので、いわゆる一般的な受験勉強をしているだけでは合格できません。総合型選抜での受験についてサポートしてくれる人の存在は重要です。学校の先生や、塾の先生など、サポートしてくれる存在を見つけましょう。
4. *書類&面接編*総合型選抜で合格を勝ち取るための対策
前述の通り、総合型選抜の選考方法は様々ですが、書類選考と面接が実施されるケースが多いです。
この章では、書類対策と面接対策について解説します。
4-1. 総合型選抜の書類選考対策
提出すべき書類は大学や学部によって異なりますが、主なものは以下の通りです。
・願書
・調査書
・志望理由書
・自己推薦書
・活動報告書
・学習計画書
こうした書類作成に共通して重要なことは、論理的かつ分かりやすく文章を構成することです。自分だけで作成していくのは難しいので、学校や塾の先生に添削をしてもらうようにしましょう。
特に重視すべきは、調査書と志望理由書(自己推薦書)です。
ただし、学業成績や課外活動、保有資格などが書かれた調査書は高校が作成する物なので、自分ではどうすることもできません。調査書の作成時期までに、高校生活の中で勉強や課外活動を頑張っておくことが大切です。
大学が、受験生が求める人物像と一致しているかを知るために重要なのが、志望理由書(自己推薦書)です。ここまでご紹介したように、自己分析やアドミッション・ポリシーの分析をしっかりと行い、学業や部活・課外活動などを頑張ってきていれば、あとはそれをわかりやすく伝えるだけです。自分の主張が納得感のあるものとなるように、具体的なエピソード、具体的な数値などを用いるようにしましょう。
4-2. 総合型選抜の面接選考対策
自己分析を行い、書類作成時にしっかりとまとめることができていれば、面接対策の第一段階はクリアしています。書類には書ききれなかったエピソードも含めて、わかりやすく伝えられるようにしましょう。
志望動機だけではなく、専門分野に関する知識について突っ込んだ質問をされることもあります。学力面も見られていることを意識して、準備する必要があります。
高校生で面接経験が何回もある人は少ないと思いますので、どうしても緊張してしまいます。とにかく、友人、先生といった人に相手になってもらい、何度も練習しましょう。できれば、専門分野に精通した人にも面接官役をしてもらって練習できるのがベストです。本番に近い経験をすることができるでしょう。
5. まとめ
総合型選抜に合格するためには、早いうちから、できれば高1から準備をスタートすることが望ましいです。自己分析や大学に関する情報収集を進め、高校生活の中で勉強や課外活動に熱心に取り組み、自信をもってアピールできるようにしましょう。早めに志望校をきめることで、より最適な対策をとることができます。
まずは自分の意思をもって合格に取り組むことが大事ですが、学校や塾の先生などにサポートしてもらうことも必要です。強い思いを持ち、周りのサポートを上手く活かして、希望の大学への道を切り開いてくださいね。