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高校の必須科目となった『情報Ⅰ』とは?その内容や定期テスト対策について解説

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高校の必須科目となった『情報Ⅰ』とは?その内容や定期テスト対策について解説

高校の必須科目となった『情報Ⅰ』とは?その内容や定期テスト対策について解説

2022年4月より新しい学習指導要領が始まり、その中の一つとして『情報Ⅰ』が共通必履修科目として追加されました。2025年度の大学入試から、「情報Ⅰ」が「大学入学共通テスト」や一部大学の入試でも出題される予定となっていることから、さらに注目が集まっています。
そこで今回は、『情報Ⅰ』の内容や定期テスト対策について解説していきます。






1. 『情報Ⅰ』とは?

『情報Ⅰ』はなぜ新設されたのでしょうか?新設の目的やその内容について解説します。


1-1. 『情報Ⅰ』が新設された目的

今の子どもたちは、多くの仕事がAIやIoTに代替されていくことが予想されているSociety 5.0に向けて大きく変化していく社会で生きていかなければなりません。そのためには、様々な資質・能力を身につける必要があります。2022年からスタートした学校指導要領では、主体的・対話的で深い学びを実現するため、文部科学省が以下の3つを柱としました。
『情報Ⅰ』において、それぞれの柱を実現するために養うべき資質・能力をご紹介します。


1-1-1. 知識および技能の習得

情報と情報技術についての知識・技能を習得し、それらを活用して問題を発見・解決する方法を身に付けます。合わせて、情報に関する法規や制度、マナー、個人が果たす役割や責任などの理解も深めます。


1-1-2. 思考力、判断力、表現力

問題の発見・解決に向けて、情報に関する科学的な見方・考え方を活用し、事象を情報に関する視点から捉え、複数の情報を結び付けて新たな意味を見出し、自分の考えを深めたりする力を養います。また、情報技術を適切かつ効果的に活用する知識や技能を身に付け、実際にその力を日常や社会の課題解決に活かせるようになることを目指します。


1-1-3. 学びに向かう力、人間性の育成等

「どのように社会や世界と関わり、よりよい人生を送るか」という点に関わる資質・能力であり、他の2つの柱をより良い方向へと伸ばしていくための重要な要素といえます。
社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報を多面的に見て価値を判断しようとする態度、自らの情報活用が正しかったのかどうか振り返って改善しようとする態度、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考えて行動しようという態度、情報社会の発展に主体的に参画しようという態度を養います。

つまり、『情報Ⅰ』では、問題の発見・解決に向けて、事象を情報に関する視点から捉え、情報技術を適切かつ効果的に活用する知識や技能を身に着け、実際にその力を日常や社会の課題解決に活かせるようになることが目的となります。

3つの柱を実現するために、『情報Ⅰ』以外にも、『公共』『現代の国語』『言語文化』『理数探究』の教科が新設され、教科・科目構成の見直しも行われました。

*Society 5.0とは
内閣府では、
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)と定義されています。
Society 5.0は超スマート社会とも呼ばれ、AIやロボットの力を活用し、私たちが快適に生き生きとした生活を送ることができる社会のことを指します。



1-2. 『情報Ⅰ』の内容

『情報Ⅰ』は、以下の4つの単元に分かれています。
①情報社会の問題解決
②コミュニケーションと情報デザイン
③コンピュータとプログラミング
④情報通信ネットワークとデータの活用
それぞれの内容について、詳しく見ていきます。


1-2-1. 情報社会の問題解決

この問題解決は、他の②~④を学ぶときにもベースとなるものです。
情報に関する法規や情報モラル、情報セキュリティの重要性、情報社会で個人が果たす役割や責任などを学びます。情報モラルとは、情報を扱う際に問題が起きないようにするために持つべき倫理観です。また、情報や情報技術が発達した社会において生まれるメリット・デメリットについても学びます。
メリットとは、ロボット技術の活用で人手不足が解消されたり、電子マネーの利用履歴やインターネットの検索履歴などのデータを活かすことで、より快適で便利な生活が送れるようになったりすることなど、社会問題の解決や生活の質の向上などが挙げられます。 デメリットとは、サイバー犯罪や情報漏洩などにより、個人や企業、さらには国家が脅威にさらされるリスクがあることなどが挙げられるでしょう。


1-2-2. コミュニケーションと情報デザイン

情報技術が発達することにより、どのようにコミュニケーションの手段が変化し、情報の流通の範囲が拡大していくのか、メディアの特性やコミュニケーション手段の特徴について科学的な視点から学び、即時性や利便性が向上した状況を理解します。
また、目的や受け手の状況に応じてわかりやすく伝えられるような効果的なコミュニケーションを行うために、情報デザインの考え方や方法(アルゴリズム)を理解し、表現できるようになることを目指します。具体的には、インターフェースなどの機能、アルゴリズムなどの論理、情報通信ネットワーク、図表やピクトグラム、ページデザインなどの工夫の仕方などを学びます。
この単元で学ぶ情報デザインの考え方や方法は、単元②③でも扱います。


1-2-3. コンピュータとプログラミング

コンピュータの内部や外部装置との接続などを学ぶとともに、基本的・応用的プログラミングや物理的シミュレーション・自然界のシミュレーション、モデル化、音声認識と応答、画像処理など、コンピュータを活用することによって問題を発見・解決する方法を学びます。アルゴリズムの表現として、フローチャートだけでなくアクテビティ図も学びます。そして、関数による構造化や、コマンドの仕組みを簡単なプログラムを通して学び、プログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワークの機能を使う方法や技能を身に付けます。


1-2-4. 情報通信ネットワークとデータの活用

情報通信ネットワークの構成(クライアント、サーバ、ハブ、ルータ、IoTを含む外部機器)や情報システムによって提供されるサービスについて学ぶとともに、データを蓄積・管理・提供する方法、データを収集・整理・分析する方法(テキストマイニング、単回帰分析、可視化、評価指標)や情報セキュリティを確保する方法を養います。特に新要領からは情報セキュリティが強化され、個人認証・情報の暗号化やファイアーウォール、アクセス制御に加え、データを暗号化するプロトコル、デジタル署名・証明書、無線LANのセキュリティなども学びます。クラウドや分散型データベースについても新たに学ぶ項目として追加されています。そして、こうしたネットワークを活用できるだけではなく、小規模なネットワークを設計する力を身に付けることを目指します。
学習で使用するプログラミング言語については、目的に応じて適したものを選択するよう明記されているため、教科書によって異なります。



2. 『情報Ⅰ』の定期テスト対策

①情報社会の問題解決②コミュニケーションと情報デザインは知識分野で、③コンピュータとプログラミングと④情報通信ネットワークとデータの活用はプログラミングの基本技術の実践であるといえます。
定期テスト対策のベースとしてやっておくべきことや、知識・実践それぞれの対策についてもご紹介していきます。


2-1. 定期テストのベースとなる対策

・中学までの学習内容をキチンと身に付けておく
中学までに学んできた技術・家庭科技術分野の内容「D情報の技術」のや数学の学習をふまえて学ぶことになりますので、中学生の時からしっかりと学びを深めておくことで、『情報Ⅰ』へも対応しやすくなるでしょう。
過去に学んできた技術や数学の内容で不安な部分がある場合は、しっかり復習するようにしましょう。
・高校で学ぶ数学の力を身に付けておく
情報Ⅰは高校数学とも深い関連性があります。例えば、情報Ⅰの定期テストでは、数学Aで学ぶ二進法の問題も出てきます。
高校で学ぶ数学の力を身に付けておくことは、情報Ⅰのテスト対策のベースとなるでしょう。



2-2. 知識力を問う問題の対策

こちらは、いわゆる暗記問題となります。そのため、教科書の内容を理解し、ポイントとなる部分を暗記していきましょう。まずは教科書に掲載されている問題を確実に解けるようにし、その他学校で行った問題や、市販されている問題集などを解くと、ポイントをおさえやすいです。
実践問題よりは難易度が低いですので、まずはここをしっかりと押さえておくことが、定期テストの点数を上げるためには重要なポイントです。



2-3. 実践力を問う問題の対策

実践力とは、思考力を問われる問題ともいえます。まずは授業をしっかりと聞き理解を深めることが大事ですが、それだけで身に付けるのは難しいこともあります。やはり実際にパソコンを使ってプログラムを書いてみたり、データ分析を行ったりすることが、実践力を高める近道です。実際の定期テストでは、生徒間で知識の差が出にくい公共データが用いられることが多いと思いますが、学校で与えられた課題に限らず、自分の興味のあるテーマで取り組むと楽しみながら学ぶことができるでしょう。
自分だけでは難しいという場合は、プログラミング教室に通ってみるのも一つです。
実技試験ではなく、ペーパーテストが行われることになると思いますので、プログラミング問題の問題集を解く練習もしておくことをオススメします。



3. まとめ

情報Ⅰの中にでも、必須となったプログラミングに不安を感じる人も多いと思いますが、プログラミングばかりを学ぶわけではなく、情報技術に関することを幅広く学ぶ科目です。実生活ですぐにでも活かせるような知識・技能が多いですし、現代社会で生きていくために必要な学びだと考えると、より前向きに学びを進められるのではないでしょうか。日常生活でインターネットを使っていると、自然と目に・耳にしているであろうワードも多々出てきます。
情報Ⅰの定期テストの対策としては、他の科目以上に早めの対策がオススメです。まずは、中学生までの技術・数学と高校の数学をしっかりとおさえましょう。その上で、情報Ⅰの知識力と実践力を身に付けるために、問題集を解いたり、実際にプログラミングをしてみたりして、力を伸ばしてください。

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