
受験に活かせる英語資格の種類とは?内容やオススメポイントについて解説
英語の資格は受験に役立つと聞くけれど、英語の資格と一口にいっても種類が多く、何がどう違うのか、どれを取得したらよいのかわからないという方は多いのではないでしょうか。受験だけでなく、就職に役立てたい、将来英語を使って仕事がしたい、様々な国の人とコミュニケーションがとりたい、といった様々な理由で、英語力を高めたい、英語の資格を取得したいと検討している人もいるでしょう。
自分の英語力を証明するために有効な英語の資格の中でも、受験において活用しやすいものを6つピックアップし、その内容やおすすめポイントをご紹介していきます。ぜひ、自分の目指すべき英語資格が何かを判断するヒントにしてくださいね!
目次
1. 実用英語技能検定『英検』
日本で英語の資格といえば、まず一番に英検を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。英検は、正式名称を実用英語技能検定といい、文部科学省が後援していて、公益財団法人 日本英語検定協会が主催している検定です。年間で300~400万人以上が受験している、国内最大級の英語資格試験といえるでしょう。小学生から社会人まで、幅広い層が受験しています。題材としても、日常的なものからビジネスの場面まで、様々な問題が出題されます。
英検は、1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級に分かれています。
それぞれの試験内容と実施時間は以下の通りです。
・5級 筆記試験 25分 リスニング 約20分 スピーキング(録音式) 約3分
・4級 筆記試験 35分 リスニング 約30分 スピーキング(録音式) 約4分
・3級 筆記試験 50分 リスニング 約25分 スピーキング(面接式) 約5分
・準2級 筆記試験 75分 リスニング 約25分 スピーキング(面接式) 約6分
・2級 筆記試験 85分 リスニング 約25分 スピーキング(面接式) 約7分
・準1級 筆記試験 90分 リスニング 約30分 スピーキング(面接式) 約8分
・1級 筆記試験 100分 リスニング 約35分 スピーキング(面接式) 約10分
3級以上は、1次試験でリーディング・リスニング・ライティングが実施され、合格すると2次試験のスピーキングテストが行われます。 4級と5級にはライティングが含まれません。また、スピーキングテストは申し込みをすれば全員が受験可能で、面接ではなく、コンピュータ端末を用いた録音形式です。自宅で受験ができ、スピーキングテストの結果は級認定に影響しません。
1-1. 英検のおすすめポイント
・国内の知名度が高く評価されやすい
・入試に活用する大学が最も多い
・学校の授業に重なる部分が多く勉強しやすい
・読む、聞く、書く、話すの4技能をバランスよく学べる
2. 国際コミュニケーション英語能力テスト トイック『TOEIC』
TOEICは、ビジネスシーンでの英語を中心に、オフィスや日常生活における英語力を測定するテストです。TOEICとはTest of English for International Communicationの略称で、日本での正式名称は国際コミュニケーション英語能力テストです。世界160カ国で実施されている世界共通の基準テストで、日本では一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会が運営しています。英検と比較して、ビジネス寄りの内容となっています。
日本で最も一般的なTOEICとは、『TOEIC Listening & Reading Test』で、英語を聞く・読む力を測るものです。このほかに、話す・書く力を測る『TOEIC Speaking & Writing Tests』や、話す力だけを計る『TOEIC Speaking Test』もあります。
TOEICは合否を決めるテストではなく、試験結果に基づいて点数が付きます。『Listening & Reading Test』では、それぞれ495点、10~990点で評価されます。『Speaking & Writing Tests』では各テスト0~200点で、『TOEIC Speaking Test』では、0~200点で評価されます。
試験の内容と実施時間は以下の通りです。
・リスニング(マーク式) 約45分
・リーディング(マーク式)約75分
・ライティング(タイピング式)約60分
・スピーキング(録音式)約20分
2-1. TOEICのおすすめポイント
・国内のビジネスの場で高く評価されやすい
・入試に活用する大学がある
・就職、転職活動で有利になる
・海外赴任や昇給の条件になる場合がある
・実用的な英語を身に付けられる
・点数評価なので、現状の英語力を把握しやすい
3. トーフル『TOEFL』
TOEFLは、アカデミックなシーンにおける英語力を測定するテストで、アメリカ発祥の世界で最も利用されている試験です。アメリカやカナダの大学・大学院を受験する場合、英語が母国語でない受験生に対してTOEFLスコアが求められることが多いです。TOEFL というと、一般的にTOEFL iBTのことを指します。アメリカ英語を基本としています。
TOEICの内容がビジネス寄りの内容であるのに対し、TOEFLは人類学や生物学、歴史など学術的な内容が多いです。
TOEFLでは、1つの試験でリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能のレベルを測り、各30点の120点満点でスコアが示されます。
試験の内容と実施時間は以下の通りです。
・リスニング 36分
・リーディング 35分
・ライティング 29分
・スピーキング(録音式)16分
※ETSが算出した、ほとんどの受験者が費やすと予想される試験時間を記載しています。
※試験会場のパソコンを使って受験します。
3-1. TOEFL のおすすめポイント
・国際的にも知名度が高く、国外でも英語力を証明できる
・海外の大学(主にアメリカ)への進学や留学の際、英語力の証明となる(条件となる場合がある)
・読む、聞く、書く、話す の4技能をバランスよく学べる
・アカデミックな英語を学ぶことができる
4. アイエルツ(IELTS)
IELTSはイギリス発祥で、TOEFL同様に世界で認知されている試験です。進学や留学、移住や海外就職などの用途に使用されています。イギリス英語を基本としています。 IELTSは2種類あり、留学や進学目的ならアカデミック(Academic) 、英語圏への就職や移住目的ならジェネラル・トレーニング(General Training)が主に用いられます。 TOEFLでは、TOEFLと同様に1つの試験でリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能のレベルを測り、試験結果は各技能の評価『バンドスコア』と総合評価『オーバーオールスコア』が、それぞれで0.5刻みの1〜9で示されます。
試験の内容と実施時間は以下の通りです。
*ペーパー版
・リスニング(記述式)40分、解答転記時間10分含む
・リーディング(記述式)60分
・ライティング(記述式)60分
・スピーキング(記述式)11~14分 ※面接形式
※ペーパー版のほか、コンピュータ版があります。
4-1. IELTS のおすすめポイント
・国際的にも知名度が高く、国外でも英語力を証明できる
・海外の大学(主にイギリス)への進学や留学の際、英語力の証明となる(条件となる場合がある)
・読む、聞く、書く、話すの4技能をバランスよく学べる
・アカデミックな英語と日常的な英語を学ぶことができる
5. ジーテック(GTEC)
GTECは、国内企業である株式会社ベネッセコーポレーションが実施している英語4技能検定です。小学生から社会人までの幅広い年齢層の方が英語力を測定できるようになっており、中学校2年生~高校3年生向けの『GTEC』の他、小学生~中学校1年生には『GTEC Junior』、大学生以上には『大学生・社会人向けGTEC』があります。また、検定の種類ごとに複数のタイプがあり、基本的に学校単位で申し込んで受験しますが、大学受験期(高校2年生後半~高校3年生向け)向けのCBTは個人申し込みができます。 試験の結果はTOEIC同様にスコアで算出されるので、英語力の把握がしやすいです。
試験の内容と実施時間は以下の通りです。
・Core 中2~中3向け 実施時間:約92分 上限スコア:840点
紙:(マーク式)リーディング、リスニング (記述式)ライティング
タブレット:スピーキング
・Basic 中3~高2向け 実施時間:約110分 上限スコア:1080点
紙:(マーク式)リーディング、リスニング (記述式)ライティング
タブレット:スピーキング
・Advanced 高1~高3向け 約110分 上限スコア:1280点
紙:(マーク式)リーディング、リスニング (記述式)ライティング
タブレット:スピーキング
・CBT 高2後半~高3向け 約150分 上限スコア:1400点
PC: リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング
5-1. GTECのおすすめポイント
・入試に活用する大学が多い
・読む、聞く、書く、話すの4技能をバランスよく学べる
・点数評価なので、現状の英語力を把握しやすい
・ビジネスに偏らない一般的な英語を身に付けられる
・受験勉強と並行して勉強が進めやすい
6. ティープ(TEAP)
ティープ(TEAP)とは、Test of English for Academic Purposesの略称で、上智大学と公益財団法人 日本英語検定協会が高校生を対象とした大学入試を想定して共同で開発した試験です。留学を含む大学教育において必要とされる、アカデミックな場面にふさわしい英語力を測定できる設計となっています。2技能(リーディング、リスニング)と4技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)の2つのパターンがあり、大学入試では4技能のパターンが活用されることが多いです。「TEAP利用型入試」を採用している大学であれば、設定された目標スコア取得により、英語の試験が免除されます。難易度の目安としては、英検準2級〜準1級程度です。
合否を判定する試験ではなく、スコアは各技能評価20~100の400点満点で算出されるほか、CEFRによる6段階のバンドのうちA1~C1までの力を測定したバンドレベルが算出されます。
試験の内容と実施時間は以下の通りです。
・リスニング マーク式(50分)
・リーディング マーク式(70分)
・ライティング 記述式(70分)
・スピーキング (約10分)※面接形式
※ペーパー版のほか、コンピュータ版があります。
6-1. TEAPのおすすめポイント
・設定された目標スコア取得により、入試の英語が免除される
・読む、聞く、書く、話す の4技能をバランスよく学べる
・点数評価なので、現状の英語力を把握しやすい
・アカデミックな英語を学ぶことができる
7. まとめ
大学によって、採用している英語の資格試験の種類は異なっています。国内なのか、海外なのかによっても、目指すべき英語の資格は異なってきますので、まずは自分がどこでどんな勉強をしたいのかを考えておきましょう。
試験によって、問題の内容や形式、解答形式も異なっていますので、複数の英語の資格試験を活用している場合はどれが自分に向いているのかも検討してみてくださいね。