
【大学受験対策】自分に合った塾選びをするための7つのポイント
大学受験が近づくと、放課後に学習塾や予備校に通い始める高校生の方は多いと思います。「塾」「予備校」といっても色々な種類があり、どのような塾や予備校を選べばいいか、予備知識がない中で選ぶことはとても難しいものです。塾に何を求めるのか、通う目的や目標をしっかり決めて対象を絞り込んでいくべきです。自分の性格も考慮して、どんな学び方がフィットするかをまずは考えてみてほしいですね。
同じ努力をするにも、やり方を間違えたまま続けたり、授業の進め方が自分に合わない塾を選んだりしてしまうと、成績が思い通りに伸びないという結果に終わってしまいかねません。そんなことにならないようにするためにも、大学受験に向けた塾を選ぶ際のポイントについてしっかり確認しておきましょう。
目次
1. 自分に合った塾選びをするための7つのポイント
1-1. 何のために塾へ通うのか
お金と時間をかけて通うからには、塾へ通う目的は何かを明確にする必要があります。大学受験対策なのか、学校の授業の補完としての学習なのか。受験対策だとしても苦手分野克服のためなのか、そもそも精神面で受験のプレッシャーに打ち克つトレーニングをしたいのか。それぞれの目的によって、選ぶべき塾・予備校は変わってくるのです。“なんとなく、周りの友人も通っていて、誘われたから”と安易に友人と同じ塾を選ぶのは大きなリスクが伴うということを認識しておきましょう。
そもそも、それぞれの塾や予備校は、何らかの意図を持って設立されています。受験勉強に留まらない、学ぶ楽しさを伝えたいと考えている塾もあるでしょうし、効率よく受験対策をすることで、部活などの学生生活を充実させることを目指す塾だってあるかもしれません。自身の価値観が合うかどうかは、学習塾選びの最重要事項と言ってもよいかと思います。
また具体的に、その塾の得意分野が何かを知ることも重要です。例えば数学が苦手科目であり克服したいという希望であれば、当然ながら数学の指導に長けた講師がいる塾・予備校を選ぶべきです。志望校の推薦入試で小論文が割り当てられているような場合には、小論文のスキル指導に定評のある塾を選ぶとしっかり学べるはずです。大学合格実績をチェックすれば、どんな大学・学部の受験に強いのかはある程度判断できるのではないでしょうか。
1-2. 自分に合う授業の進め方であるか
授業にも色々な手法があり、集団授業なのか個別指導なのかによって進め方は大きく異なります。また指導する講師によっても個性が出ますから、しっかり確認したいところです。最もオーソドックスな形式である集団授業形式の場合は、1人の講師が複数の生徒に対して同時進行で授業を行います。学校の授業に似た方法ですね。クラスメイト達と切磋琢磨してモチベーションが湧くタイプや、学校の授業に慣れていて、同様の方式がやりやすく感じる学生にとっては、すっとフィットできるでしょう。個別指導と比べると授業料が低めの設定になるため、リーズナブルに通うことができるのが最大のメリットです。
一方で、個別指導の塾では、講師1人に対して1〜4名程度の少人数の生徒が指導を受ける方法となります。あくまでも自分のペースで学習でき、各自の課題に応じた対策をアドバイスしてもらえるメリットがあります。集団授業では真似できない、きめ細かいフォローが売りとなるのです。個別指導を選べば、自分に必要な教科だけを選ぶこともできますし、普段は苦手な国語を集中的に学び、試験前は他の科目も並行して対策を行う…というようなアレンジができる点も魅力です。講師側から見ても、集団授業では把握しきれない生徒の課題にまでアプローチできるので、指導の精度も格段に変わってきますし、講師との信頼関係も、当然ながら個別指導形式のほうが早く構築できるでしょう。
「マンツーマンの個別指導」を謳い文句にしている塾もありますが、1対1で学ぶことを希望するのであれば家庭教師に来てもらうのと同じ学び方となります。家庭教師だと自宅に来てくれるというメリットがある反面、兄弟や両親が共に暮らす家の中での生活音が集中力を削いでしまったり、講師との相性が悪いと感じてしまった際の講師交代にかかる精神的・時間的負荷は大きくなってしまうことには注意が必要です。その辺りも含めて、塾に通ってのマンツーマン指導を希望するか否か、検討してください。
また、集団でも個別でも、先般のコロナ禍を経てオンラインに対応するところが劇的に増えました。オンライン授業の中でも、既に撮影された動画を再生するオンデマンド形式と、リアルタイムで遠隔授業を行う形式があります。パソコン1台、スマホ1台があり、Wi-Fi環境さえあればどこにいても学べるというのは、とても便利ですね。ハイブリッド形式で併用する学び方も増えてきたように感じます。
1-3. 自習室などの設備・環境があるか
授業以外でも、塾や予備校にはそこにある環境を求めて通ってくる学生も多く存在します。代表例として挙げられるのは自習室の利用目的でしょう。自習室があるとしても、エアコンが備えられていて夏や冬でも快適な環境下で自習できるか、清掃が行き届いていて気持ち良く過ごせるか、混雑していて座席が確保できないようなことはないか…と、チェックすべき項目はたくさんあります。窓があれば天気のいい日は気持ちいいですが、地下の密室のようなスペースのところもあります。席は空いていても1区間あたりのスペースが狭く、参考書を開けづらい座席しかない場合もあります。落ち着いて学べる環境というのは実際に見て初めて分かるものですので、できれば現地確認する方がよいでしょう。授業がない日でも使えるかどうか、入退室自由のルールになっているかなど、自習室の使いやすさも調べておきましょう。
自習室以外でも昼食、間食を摂ることができる休憩スペースがあるかどうかもポイントです。最近では気分転換のためにとオシャレなカフェテリアを併設している施設もあります。希望に叶う設備があるかどうかは、候補となる塾や予備校に足を運んで、くまなくチェックしてください。
自宅で1人ぼっちで勉強だけに集中するというのは難しいことです。自習室を使ってモチベーションを上げていくのは、効率アップを実現できる賢い手法だと思いますよ。
1-4. 講師やチューターのサポートレベル
塾や予備校には、大学受験に関する様々な情報が集まってきます。受験対策が目的であれば、自宅で1人で参考書を開くだけの日々よりも、具体的な戦略やアドバイスをもらえることが大きなアドバンテージとなるでしょう。自身では気づけていない課題を指摘してもらうことができ、志望校選択においても豊富な情報を背景に、より適切なアドバイスを受けることができるはずです。
指導する講師やチューターも各々のプロフィール、バックグラウンドは本当に様々で、プロ中のプロと呼ばれる講師もいれば、大学生アルバイトの方もいます。プロであれば丁寧な指導を受けられるでしょうし、年齢の近い大学生であれば身近な存在として気さくに相談できるかもしれません。どんな方からの指導を受けたいのか、受けられるのかについては、必ずチェックしておいてください。
1-5. 物理的な条件は希望に叶うか
当然のことですが、塾へ通うとなれば相応の金銭的、時間的コストがかかってしまうことになります。塾・予備校によって受講に関する価格帯はバラバラですので、希望する塾や予備校の学費をご家庭で確保できるのかどうか、保護者の方へ相談しておきましょう。立地も大きな要素です。放課後に通うことができるのかどうか、負担はどの程度となるか。近所だとすれば自転車での通学がOKだとありがたいですね。
もちろん、学費が安ければ安いほど良いというものではありませんが、かといって価格が高ければ必ず質の高い授業を受けられるという保証もありません。求める内容をきちんと学習できるのかどうか、コストパフォーマンスがどうなのか、しっかり検討してください。特に金額面においては、入会金にはじまり、教材費、設備費、夏期/冬期講習までひっくるめると、トータルでどの程度のコストとなるのか、事前に計算しておくようにしましょう。
1-6. 体験授業でどう感じるか
どれだけホームページや資料を読み込んでみても、やはり実際に現地へ足を運び、そこでどんな仲間が学んでいるのか、どんな講師が教えているのか、どんな環境で学んでいるのかを知らなければ、選別のポイントとすることはできないでしょう。そんな時はぜひ、実際の校舎での体験授業に参加してみることをお勧めします。看板講師による熱の入った授業を受けて、モチベーションも高まるかもしれませんね。また、体験授業だけでなく普段の授業はどんな講師がどんな内容でやっているのかをヒアリングしてみてください。
1-7. ネット上での口コミを参考に
気になる塾がある程度絞り込めてきたら、その塾の評判についても調べてみましょう。実際に通う学生が書き込んでいるので、信憑性のある投稿もいくつか目に入ってくるはずです。満足して学んでいる学生であればいい面について載せてくれているでしょうし、逆に不満を抱えている学生ならその不満も包み隠さず投稿しているかもしれません。匿名の書き込みであれば、あくまで無責任な放言だというベース、“話半分”のつもりで情報収集する位でちょうど良いですね。ただ、そうだとしても書き込みの半分は事実だということですから、うまく取捨選択できれば有益な情報源となり得ると思います。チェックする際には、その書き込みがいつなされたものか、時系列も気にしておいてくださいね。
2. まとめ
塾・予備校へ通うからには、ゴールに設定した期間までに一定の成果を出したいと誰もが願うはずです。自分が学びやすいスタイルや環境はどのようなものかを、まずはしっかり考えて、自分に合った塾・予備校をみつけましょう。
塾・予備校で過ごす時間を、ぜひ有意義なものにしてください。